看護学校受験の小論文対策|頻出…
看護学校の小論文は何文字書く?構成・時間配分・失敗例を解説
看護学校の小論文は、まず問題文で指定された文字数を守り、その範囲で必要な説明をまとめることが大切です。「800字以内」であれば、一般的な練習の目安は720〜800字。ただし、これはすべての学校に共通する合格基準ではなく、学校が示す条件を優先します。
「800字も書ける気がしない」
「原稿用紙を全部埋めないと不合格になるの?」
「書き始めると、いつも時間が足りなくなる……」
小論文の対策を始めると、このような不安が出てきますよね。
でも、最初から長い文章をすらすら書ける必要はありません。何を、どの順番で、どれくらい説明するかが決まると、書くべき内容を整理しやすくなります。
この記事では、看護大学・看護専門学校を目指す方に向けて、文字数の考え方、800字の構成例、時間配分、よくある失敗と直し方を解説します。さらに、文字数が足りないときの補い方、字数を超えたときの削り方、原稿用紙の注意点、練習方法、よくある質問までまとめました。
看護学校の小論文は何文字書く?最初に確認したい字数の目安
看護学校の小論文で書く文字数は、学校・入試方式・設問によって異なります。「看護学校なら必ず800字」と考えず、受験する入試の募集要項と過去問題を確認しましょう。
実際に、学校が公開している小論文には、次のような指定があります。
| 公開されている例 | 字数・時間などの条件 |
|---|---|
| 大精協看護専門学校の令和7年度入試問題 | 640字以上800字以内 |
| 大精協看護専門学校の令和6年度入試問題 | 600字以上800字以内 |
| 山梨県立大学・看護学科の学校推薦型選抜、小論文方式 | テーマ型・800字以内・60分 |
同じ学校でも、公開年度によって下限の指定が異なる例があります。過去の情報だけで判断せず、自分が受験する年度・選抜区分の条件を確認することが大切です。
文字数の指定を確認したら、次は「その条件の中で、どこを目標に書くか」を考えていきましょう。
「800字以内」なら720〜800字を練習の目安にする
「○字以内」の小論文では、上限を超えず、指定字数の9割以上を目指すことが一般的な練習の目安です。ただし、9割書けば合格する、9割未満なら必ず不合格になる、という意味ではありません。
字数ごとの目安は、次のようになります。
| 問題文の指定 | 練習時に目指したい文字数 |
|---|---|
| 400字以内 | 360〜400字 |
| 600字以内 | 540〜600字 |
| 800字以内 | 720〜800字 |
| 1,000字以内 | 900〜1,000字 |
この数字は、内容を十分に説明するための目標です。学校が独自の下限や数え方を示している場合は、そちらを優先してください。
また、上限ぎりぎりまで埋めようとして同じ主張を繰り返すと、文章が読みにくくなってしまいます。「残りのマスをどう埋めるか」より、「理由や具体例に説明不足がないか」を考えましょう。
「800字程度」と「800字以内」は同じではない
「800字以内」は上限が800字である一方、「800字程度」は800字前後を求める表現です。「程度」の一般的な目安として前後1割が紹介されていますが、学校独自の指示や解答欄の制約があれば、それを優先します。
たとえば、次のように区別して読むと整理できます。
- 「800字以内」:800字を超えないように書く。
- 「800字程度」:800字前後を目安にまとめる。
- 「600字以上800字以内」:600字以上、800字以下の範囲に収める。
特に注意したいのが、「以内」と書かれているのに「少しなら超えてもよい」と考えることです。
上限を超えた答案の扱いは学校によって異なるため、「1字でも超えたらすべての学校で0点」とまではいえません。ただし、字数条件を守ることは基本です。超過を前提にせず、指定範囲の中で書き切る練習をしましょう。
字数の条件は、下限・上限・設問数をセットで確認する
小論文の文字数を確認するときは、上限だけでなく、下限と設問ごとの指定も一緒に整理しましょう。「合計800字」と「各設問800字」では、準備する内容が大きく変わります。
練習を始める前に、次のような確認欄を作っておくと便利です。
| 確認すること | 書き出す内容の例 |
|---|---|
| 下限 | 600字以上、下限の明記なし、など |
| 上限 | 800字以内、など |
| 設問数 | 一つの問いか、複数の問いか |
| 字数の適用範囲 | 全体で800字か、設問ごとに指定があるか |
| 解答形式 | 原稿用紙、横罫の解答欄、など |
| 記入上の指示 | 題名・氏名・受験番号を書く位置など |
ここでの目的は、書く前に条件を自分の言葉で整理することです。「たぶん800字だった」と記憶に頼らず、練習のたびに問題文へ戻る習慣をつけましょう。
看護学校の小論文は「主張・理由・具体例・結論」で組み立てる
小論文は、感想を並べるのではなく、問いに対する自分の考えを理由とともに説明する文章です。基本となる「序論・本論・結論」を、主張・理由・具体例・結論に分けると、書く内容を整理しやすくなります。
たとえば、「看護師に必要なコミュニケーションについて、あなたの考えを述べなさい」というテーマなら、次のように組み立てられます。
| 文章の役割 | 書く内容の例 |
|---|---|
| 主張 | 相手が理解し、気持ちを伝えられるようにする関わりが重要だと考える |
| 理由 | 一方的な説明だけでは、相手が抱える不安や疑問を把握できないから |
| 具体例・検討 | 説明後に質問しやすい声かけをする場面や、相手の反応を確かめる場面を考える |
| 結論 | 話す内容だけでなく、相手の理解や思いを確かめる姿勢が必要だとまとめる |
これは、本記事で作成した練習用の構成例です。実際の出題に対する模範解答や、特定の学校が示した採点基準ではありません。
大切なのは、最後まで同じ問いに答えることです。「コミュニケーション」を問われているのに、途中から「看護師を目指したきっかけ」の説明が中心にならないように注意しましょう。
800字の小論文は、役割ごとに文字数を分けて考える
800字の小論文は、書き始める前に各段落の役割と分量を決めておくと、結論を書く余地を残しやすくなります。次の配分は、練習用の一例です。
| 段落 | 役割 | 分量の目安 |
|---|---|---|
| 第1段落 | 問いに対する主張を示す | 約120字 |
| 第2段落 | 主張の理由を説明する | 約200字 |
| 第3段落 | 具体例や課題、対応を検討する | 約320字 |
| 第4段落 | 議論をまとめ、結論を示す | 約120字 |
| 合計 | 約760字 |
この配分なら、書き進めながら説明を少し足したり、表現を直したりする余地を持てます。
ただし、四段落にすれば必ずよい文章になるわけではありません。設問が「課題を二つ挙げ、それぞれの対応を述べなさい」と求めているなら、その指示に合った段落構成に変えましょう。
構成は文章を書くための道具です。型を守るために、問いへの答えを削ってしまわないことが大切です。
課題文や資料がある場合は、設問ごとの字数を確認する
課題文型・資料型の小論文では、最初に「何を読み取り、何について答えるのか」を確認しましょう。要約と意見が別々の設問になっている場合は、それぞれの字数条件を守る必要があります。
看護系の公開問題には、図から読み取れることと、看護師を目指す立場での考えを、すべて800字以内にまとめるよう求める例もあります。
このような問題では、資料の説明だけで文字数を使い切らないことがポイントです。
下書き用のメモを、次の三つに分けてみてください。
- 資料から確認できる事実
- その事実から考えられる課題
- 課題に対する自分の考えと理由
「資料に書かれていること」と「自分が考えたこと」を区別すると、読み取りと意見を整理しやすくなります。
序論と結論は、同じ内容の繰り返しにしない
序論では問いへの答えを示し、結論では本論で説明した理由や検討を踏まえて、その答えをまとめましょう。同じ一文をそのまま置き直すより、議論の到達点が伝わります。
たとえば、序論で次のように書いたとします。
私は、相手の理解を確かめることが、看護師のコミュニケーションにおいて重要だと考える。
本論では、「なぜ確認が必要なのか」「どのような声かけが考えられるか」「相手が質問しにくい場合はどうするか」を説明します。
そのうえで、結論を次のようにつなげます。
したがって、説明を終えることだけを目標にせず、相手が理解や疑問を伝えられる機会をつくる姿勢が重要である。
書き出しと結論の方向は同じですが、結論には、本論で考えた具体的な意味が加わっています。
結論で急に別のテーマを持ち出すのではなく、「ここまで説明したことから何がいえるのか」を一度立ち止まって考えましょう。
看護の小論文の書き方を具体例で確認しよう
看護の小論文は、立派な言葉を並べるより、主張と理由のつながりを明確にすることが大切です。ここでは、抽象的な文章を具体化する練習例を紹介します。
以下は書き方を説明するために作成した部分例であり、800字の完成答案や学校公表の模範解答ではありません。
書き出しは「何について、どう考えるか」を明確にする
書き出しでは、テーマを広げすぎず、設問への答えが伝わる一文を置いてみましょう。一般論を長く書くより、本文で説明する軸を決めやすくなります。
たとえば、次の書き出しです。
現代社会ではコミュニケーションが大切であり、さまざまな場所で求められている。
間違った文章ではありませんが、「看護師に必要なコミュニケーション」という問いへの答えは、まだ見えてきません。
そこで、次のように焦点を絞ります。
私は、看護師のコミュニケーションでは、相手が疑問や不安を伝えられるように関わることが重要だと考える。
これなら、続く段落で説明すべきことが明確になります。
ただし、すべての設問で「私は〜と考える」から始める必要はありません。資料の読み取りを先に求められているなら、まず資料から確認できる内容を示すなど、問いに合わせて順番を変えてください。
理由は「大切だから」で止めず、仕組みまで説明する
理由を書くときは、主張を別の言葉で繰り返すのではなく、なぜ必要なのかを一段深く説明しましょう。「それがないと、どのような困り事が起こるか」を考えると具体化しやすくなります。
たとえば、次の文章を見てください。
相手の話を聞くことが重要である。なぜなら、話を聞くことは大切だからである。
これでは、主張と理由がほぼ同じです。
次のように考え直してみましょう。
相手の話を聞くことが重要である。説明する側が十分に伝えたつもりでも、相手には言葉にできていない疑問が残っている可能性があるためである。
この後に、質問しやすい声かけや、理解を確かめる場面を加えると、具体例へ自然につなげられます。
「なぜなら」と書けていても、理由になっているとは限りません。接続詞を外して読んだときにも、主張を支える説明になっているか確認しましょう。
反対意見や難しさは、必要な範囲で取り上げる
自分の考えを示した後は、実行するときの難しさや別の見方にも触れると、検討を深められます。ただし、字数が限られる中で、形式的に反対意見を入れる必要はありません。
たとえば、「一人ひとりの話を十分に聞くことが大切」と考えた場合、次の問いが生まれます。
- 時間が限られる場面ではどうするのか。
- 相手が話したくない場合はどうするのか。
- 自分だけで解決できない内容なら、どう考えるのか。
すべてを一つの答案へ詰め込む必要はありません。主張に最も関係する難しさを一つ選び、そのうえでどうするかを説明してみましょう。
「たしかに難しさがある。しかし、だからこそどのような工夫が必要か」と考えると、単なる理想論から一歩進められます。
看護学校の小論文を60分で書く時間配分
60分の小論文では、すぐに清書を始めず、問題の確認と構成に時間を取り、最後に見直しを残す練習をしましょう。以下は、800字以内のテーマ型を想定した時間配分の一例です。
| 経過時間 | 取り組むこと | 確認するポイント |
|---|---|---|
| 0〜5分 | 問題文・解答条件を読む | テーマ、字数、答える項目を確認する |
| 5〜15分 | 構成メモを作る | 主張、理由、具体例、結論を決める |
| 15〜50分 | 答案を書く | 段落ごとの分量を意識して書き進める |
| 50〜60分 | 見直す | 設問への回答、字数、誤字、文末を確認する |
これは学校が指定する時間配分ではなく、練習を始めるための案です。実際に解いてみて、読む速さや書く速さに合わせて調整してください。
課題文が長い問題なら、読解に必要な時間を増やします。その代わり、構成メモを短い箇条書きにするなど、ほかの工程を調整する必要があります。
下書きは全文ではなく、文章の設計図を作る
時間内に完成させる練習では、下書きに全文を書くより、段落ごとの要点をメモする方法から試してみましょう。清書と同じ文章を二度書く負担を減らせます。
たとえば、構成メモは次の程度でもかまいません。
- 主張:相手の理解を確かめる関わりが必要。
- 理由:説明しただけでは、不安が解消されたか判断できない。
- 具体例:質問を促す、相手の言葉で確認してもらう。
- 検討:急いでいる場面でも、短い確認の機会をつくる。
- 結論:伝えることと、受け取られ方を確かめることを両立する。
メモの段階で文章を美しく整える必要はありません。「何を説明する段落なのか」が自分でわかれば十分です。
書き終わらない人は、工程別に時間を記録する
時間不足を改善するには、「考えるのに時間がかかる」のか、「書くのが遅い」のかを分けて確認しましょう。原因によって、練習すべき内容が変わります。
練習後に、次の時刻を記録してみてください。
- 問題を読み終えた時刻
- 構成が決まった時刻
- 書き始めた時刻
- 最後まで書き終えた時刻
構成を決めるまでに30分かかるなら、主張を一文で決める練習が必要かもしれません。一方、構成はできているのに途中で何度も書き直すなら、清書前のメモで論理のつながりを確認する練習が役立ちます。
「60分で書けなかった」で終わらず、どの工程を短くするかまで振り返りましょう。
試験時間が45分・90分なら、読み取りと執筆の配分を調整する
小論文の時間配分は、試験時間だけでなく、文字数や資料の量に合わせて調整します。60分用の配分をそのまま使わず、志望校の問題で試してみましょう。
以下は、工程を分けるための練習用モデルです。特定の学校の試験形式や推奨配分を示すものではありません。
| 試験時間 | 問題・条件の確認 | 構成メモ | 執筆 | 見直し |
|---|---|---|---|---|
| 45分 | 5分 | 7分 | 28分 | 5分 |
| 60分 | 5分 | 10分 | 35分 | 10分 |
| 90分 | 15分 | 15分 | 50分 | 10分 |
45分の試験では、全文の下書きを作る余裕があるか、特に慎重に検討しましょう。
90分の試験でも、「時間が長いから安心」とは限りません。課題文の量や設問数が多ければ、読む時間が必要になります。
最初はこのような配分で一度解き、その結果をもとに自分用の配分表へ直してください。
看護学校の小論文で避けたい失敗例と直し方
小論文で気をつけたいのは、文字数不足だけではありません。問いから外れる、根拠が薄い、説明が一面的になるといった問題も、練習の段階で見直しておきましょう。
以下は、つまずき方を説明するために作成した架空の例です。実在する受験生の答案や合否事例ではありません。
失敗例1:文字数を埋めるために同じ内容を繰り返す
文字数が足りないときは、表現を言い換えて増やすのではなく、説明が不足している部分を補いましょう。同じ主張の反復では、議論が前に進みません。
たとえば、次の文章です。
看護師には思いやりが必要である。患者を思いやることが大切であり、思いやりのある看護師になるべきだと考える。
「思いやりが必要」という主張は伝わりますが、なぜ必要なのか、どのような行動を指すのかが見えてきません。
直すときは、次の問いを加えます。
- どのような場面で必要なのか。
- 相手にはどのような困り事があるのか。
- 自分ならどのように行動するのか。
- 行動するときに気をつけることは何か。
たとえば、「不安を抱える相手に、説明を急ぐのではなく、何を心配しているのか尋ねる」と具体化すれば、主張と行動のつながりを説明できます。
失敗例2:体験談が長くなり、問いへの答えがなくなる
体験談は考えを支える材料として使い、出来事の紹介だけで終わらないようにしましょう。「何を経験したか」の後に、「そこから何を考えたか」を書くことが大切です。
家族の入院経験を書く場合、病院へ通った経緯や当日の様子を詳しく説明しすぎると、自分の意見を書く余地がなくなります。
修正するときは、体験を次の三つに分けてみてください。
- 議論に必要な場面だけを短く説明する。
- その場面から気づいた課題を示す。
- 課題について、自分の考えと理由を述べる。
一つの経験から「すべての患者は同じ気持ちになる」と一般化しないことも大切です。「この経験から、相手の思いを決めつけずに確かめる必要があると考えた」と、経験と考察をつなげましょう。
失敗例3:「患者の希望は必ずかなえる」と言い切る
看護に関する文章では、一つの価値だけで結論を出さず、両立が難しい条件にも目を向けてみましょう。希望を尊重することと、安全面への配慮などを、どのように考えるかが論点になります。
たとえば、練習答案で次のように書いたとします。
患者の希望は、どのような場合でも必ずかなえるべきである。
この表現では、希望をそのまま実現することが難しい場面を検討できていません。
文章を見直すなら、まず希望の背景を確認し、実現が難しい場合に何を説明し、どのような代替案を考えるかまで掘り下げてみましょう。
これは医療行為の判断方法を示すものではなく、小論文の議論を一面的にしないための考え方です。「必ず」「絶対に」と書いた箇所は、条件や例外を見落としていないか確認してください。
失敗例4:聞かれたことではなく、準備した文章を書く
本番では、覚えてきた文章を当てはめるのではなく、設問で求められた内容に答えましょう。使いやすい体験談があっても、問いに合わなければ別の材料を選ぶ必要があります。
たとえば、「多職種で協力する際の課題と対応」を聞かれているのに、「私が看護師になりたい理由」が中心では、十分な回答になりません。
書き始める前に、問題文の次の部分に印をつける練習がおすすめです。
- 何について答えるのか。
- 課題、理由、対策など、何を求められているのか。
- いくつの項目に答えるのか。
- 字数や資料の使用に、どのような条件があるのか。
そして、各段落がどの要求に答えているかを確認します。文章の上手さを考える前に、答えるべき項目をそろえましょう。
失敗例5:専門用語を並べて、説明したつもりになる
看護に関係する言葉は、意味と論点とのつながりを説明できる範囲で使いましょう。用語を増やすこと自体を、文章の目標にしないことが大切です。
たとえば、「患者中心」「多職種連携」「個別性」といった言葉を使っても、それぞれが今回の問いとどう関係するのかが不明確では、考えが伝わりません。
次のような質問を、自分の文章に向けてみてください。
- この言葉を、身近な言葉で説明できるか。
- なぜ今回のテーマで必要なのか。
- 具体的には、誰が何をすることを指しているのか。
難しい言葉を一つ減らして、行動や理由の説明を一文加えたほうが、伝わりやすくなる場合もあります。
失敗例6:最後だけ「努力したい」で終わる
小論文の結論は、努力や決意だけで終わらせず、問いへの答えをまとめましょう。「どうなりたいか」と「この問題についてどう考えるか」は、分けて整理する必要があります。
たとえば、チームで協力するための課題を論じた最後に、
私はこれからも努力し、立派な看護師になりたい。
と書くと、議論のまとめが見えにくくなります。
その前に、次のような内容を示してみましょう。
したがって、協力を個人の気持ちだけに任せず、互いの役割や考えを確認できる機会をつくることが重要である。
設問が将来の抱負を求めているなら、決意を述べることにも意味があります。そうでなければ、まず問われた問題への結論を優先してください。
小論文の文字数が足りないとき・多すぎるときの調整方法
小論文の文字数調整は、言葉の水増しや一律の削除ではなく、内容の役割を見直して行いましょう。足りないときは説明の不足、多すぎるときは重複や脱線を探します。
800字以内の答案で、500〜600字ほどで止まってしまう人もいれば、毎回900字近くになる人もいるでしょう。それぞれ、見直す順番を変えてみてください。
文字数が足りないときは「理由・具体例・難しさ」を点検する
字数不足の答案では、主張だけを早くまとめていないか確認しましょう。読み手が「なぜ」「具体的には」と聞きたくなる箇所が、説明を足す候補になります。
| 答案の状態 | 足す内容の候補 |
|---|---|
| 主張はあるが、理由が一文だけ | なぜ必要なのか、必要になる背景 |
| 「配慮する」「寄り添う」など抽象語が多い | どの場面で、どのように関わるか |
| 具体例があるが、意見につながらない | 例から何がいえるのかという説明 |
| 対応策だけを書いている | その対応を選ぶ理由、実行上の難しさ |
| 結論が急に出てくる | 本論の内容から結論へつなぐ説明 |
たとえば「相手に合わせて説明する」と書いたら、「何を確かめて合わせるのか」「なぜ同じ説明では不十分なのか」を考えてみます。
ただし、すべてを追加すると焦点がぼやけます。主張を支えるために必要な説明から補いましょう。
文字数が多すぎるときは、重複と長い前置きから削る
字数超過を直すときは、最初に同じ意味の繰り返しや、問いに直接関係しない説明を探しましょう。主張を支える大切な理由から削ると、論理が弱くなってしまいます。
削る候補は、次のような部分です。
- 設問をほぼそのまま書き写した長い前置き。
- 同じ結論を何度も述べている箇所。
- 本論と関係の薄い体験談の細部。
- 一つあれば十分なところに並べた複数の具体例。
- 意味をほとんど加えていない修飾語。
たとえば、
私自身の考えとしては、私は相手の話を十分に聞くことがとても重要であると考えている。
という表現は、
私は、相手の話を十分に聞くことが重要だと考える。
と整理できます。
練習の段階では、同じ主張を600字と800字の二通りで書く方法も試してみましょう。何を残せば考えが伝わるかを考える練習になります。
原稿用紙と文字数の数え方で注意すること
原稿用紙では、句読点やかっこ、小さい「っ」「ゃ」なども、基本的に一文字分として扱います。ただし、行末の処理や解答欄への記入方法は、問題用紙に示された指示を優先してください。
練習では、次の点も確認しましょう。
- 段落の書き始めを一マス空けているか。
- 句読点や閉じかっこを行頭に置いていないか。
- 本文と別に指定された受験番号・氏名欄を確認したか。
- 不要な題名や氏名を、自己判断で本文欄に書いていないか。
- 解答欄の枠外まで書いていないか。
題名や氏名を書く場所も、問題によって異なります。実際に、大精協看護専門学校の公開問題では、年度により「原稿用紙の1行目」と「原稿用紙の枠外」という異なる指示が確認できます。
また、パソコンの文字カウントと、原稿用紙上で使うマス数は必ずしも同じではありません。手書きの試験を受ける場合は、文章作成ソフトだけでなく、本番に近い用紙でも分量を確かめましょう。
看護大学・看護専門学校の小論文対策は、学校名より出題形式から考える
看護大学と看護専門学校の小論文対策は、「大学だから難しい」「専門学校だから体験談でよい」と決めつけず、実際の問題と解答条件から組み立てましょう。学校種別だけでは、準備する内容を判断できません。
公開問題を見ても、テーマについて考えを書くもの、図から読み取ったことと意見をまとめるもの、人物の心境を読み取って考えを述べるものなどがあります。
志望校・併願校が決まったら、次の項目を比較してみてください。
| 比較項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 出題形式 | テーマ型、課題文型、資料型など |
| 字数 | 全体の上限、下限、設問ごとの字数 |
| 試験時間 | 読解・構成・執筆に使える時間 |
| 求められる作業 | 意見、要約、資料の説明、課題と対応など |
| 自分の課題 | 読むこと、考えること、書くことのどこが難しいか |
看護専門学校の小論文対策として練習していた800字のテーマ型が、看護大学の資料型問題にもそのまま使えるとは限りません。反対に、資料を読む練習だけでは、短いテーマから自分で論点を決める練習が不足することもあります。
共通して使う「問いを読む」「主張と理由をつなぐ」という基礎と、学校ごとに必要な演習を分けて考えると、併願対策を整理しやすくなります。
看護学校の小論文を練習する3つのステップ
小論文の練習は、短い文章で論理を作る段階、指定字数まで説明を広げる段階、本番時間内に完成させる段階に分けると取り組みやすくなります。最初から字数と時間の両方を完璧にしようとしなくて大丈夫です。
ステップ1:200字で「主張と理由」をつなぐ
最初は200字程度で、問いへの答えと理由を一組にして書いてみましょう。長さよりも、「なぜそう考えるのか」が伝わることを目指します。
練習テーマは、「人の話を聞くときに大切なこと」「チームで協力するために必要なこと」など、考えやすい内容から始めてもかまいません。
書いた後は、主張と理由の間に飛躍がないかを読み返してください。
ステップ2:600字・800字で具体例と検討を加える
短い文章で考えを整理できたら、具体例や課題への対応を加え、受験校の字数に近づけていきましょう。単に文章を長くするのではなく、読み手の疑問に答える説明を足します。
確認したいのは、次の四点です。
- 理由が抽象的な言葉だけになっていないか。
- 具体例が主張を支えているか。
- 想定される難しさにも触れているか。
- 結論が途中の説明から導かれているか。
本番が800字だからといって、すべての練習を800字にする必要はありません。短い文章に戻って、論理のつながりだけを練習する日があってもよいでしょう。
ステップ3:時間を測り、添削後にもう一度書く
本番形式の練習では、制限時間内に書くことに加え、指摘を受けて書き直すところまでを一組にしましょう。新しいテーマを書く回数だけでなく、同じ弱点を繰り返していないかを確認することが大切です。
添削をお願いするときは、「何点くらいですか」だけでなく、次のように質問を具体化すると、修正点を整理しやすくなります。
- 問いに答えられていない段落はありますか。
- 理由が不足している部分はどこですか。
- 削っても意味が変わらない説明はありますか。
- 結論までのつながりが不自然な箇所はありますか。
直す点が多いときは、一度にすべてを改善しようとせず、「今回は理由を具体的にする」など、一つずつ取り組みましょう。
練習記録を残して、同じ失敗の繰り返しを減らす
小論文の練習後は、テーマ・字数・時間・修正点を短く記録しましょう。答案を何枚書いたかだけでなく、改善した点を振り返りやすくなります。
記録は、次のような簡単な形で十分です。
| 記録項目 | 記入例 |
|---|---|
| テーマ | 相手の話を聞くときに大切なこと |
| 指定字数 | 800字以内 |
| 実際の分量 | 使用した解答用紙で確認 |
| 所要時間 | 構成15分、執筆40分、見直し5分 |
| 今回の課題 | 体験談が長く、理由の説明が短い |
| 次回の目標 | 体験談を短くし、理由を先に書く |
「全体的にもっとよくする」という目標では、何をすればよいか迷ってしまいます。
「主張を一文にする」「具体例の後に説明を一文加える」など、次に行う動作まで決めておくと、練習の目的がはっきりします。
提出前の見直しは、内容と表記を分けて確認する
見直しでは、先に設問への回答と論理のつながりを確認し、その後に誤字や文末を点検しましょう。表記だけを直して終わらないよう、確認する順番を決めておくと安心です。
練習のときから、次のチェックリストを使ってみてください。
| 確認項目 | チェックすること |
|---|---|
| 設問への回答 | 求められた項目にすべて答えているか |
| 主張 | 自分の考えを一文で説明できるか |
| 理由 | 主張を言い換えただけになっていないか |
| 具体例 | 主張と関係する例になっているか |
| 結論 | 本論から導かれる内容になっているか |
| 字数 | 下限・上限などの指定を守っているか |
| 表記 | 誤字、脱字、文体の混在がないか |
| 記入条件 | 氏名・受験番号などの指示を守っているか |
特に複数の問いが含まれる問題では、一つの項目を詳しく書くうちに、別の項目を書き忘れることがあります。
最後にもう一度問題文を読み、「この要求には、この段落で答えている」と対応させてみましょう。
看護学校の小論文に関するよくある質問
小論文の文字数や書き方に迷ったら、最初に設問の条件へ戻りましょう。以下では、練習中に判断に迷いやすい点を整理します。
800字以内なのに600字しか書けません。必ず不合格ですか?
600字という字数だけで、必ず不合格になるとは断定できません。ただし、800字以内の一般的な練習目安である720〜800字には届かないため、理由や具体例の説明が不足していないか見直しましょう。
問題文に「640字以上800字以内」などの下限がある場合は、600字では条件を満たしません。単なる目安と、学校が明記した条件を区別することが大切です。
文字数が多いほうが評価されますか?
文字数を増やすことだけを目標にせず、必要な内容を指定範囲内で説明しましょう。同じ主張の繰り返しを加えるより、理由や具体例の不足を補うことが大切です。
まず設問に答えられているかを確認し、そのうえで説明の十分さを見直してください。
最後のマスまで埋めないといけませんか?
「800字以内」という指示だけなら、800字ちょうどにする必要はありません。一般的な練習では720〜800字を目安に、結論まで書き切ることを目指します。
ただし、「800字で書く」など、異なる指示がある場合は、その条件を確認してください。
医療の専門知識がないと書けませんか?
必要な準備は出題内容によります。まず志望校の過去問題を読み、どのような知識や資料の読み取りが求められているかを確かめましょう。
公開問題には、看護に関するテーマだけでなく、文章中の人物の心境を読み取り、自分の考えを述べる形式もあります。「看護系だから専門用語をたくさん使う」と決めつけず、設問に合わせて準備してください。
自分の経験が少なく、具体例が思いつきません
特別な経験を探すより、問いとの関連を説明できる身近な経験を振り返ってみましょう。体験を使う場合は、出来事の大きさより、そこから何を考えたかを言葉にすることが大切です。
また、実際に経験していない出来事を、自分の体験として書くのは避けてください。仮の場面を使うなら、「たとえば、〜という場合」など、想定であることが伝わる書き方にしましょう。
「です・ます」と「だ・である」は、どちらで書きますか?
入試小論文では、「だ・である」調に統一する書き方が一般的です。途中で文体が混ざらないよう、見直しの際に文末を確認しましょう。
ただし、学校から文体について指示がある場合は、その指示を優先してください。
800字以内なら、何段落に分ければよいですか?
練習の出発点としては、主張・理由・具体例や検討・結論の四段落が使えます。ただし、段落数は固定せず、設問で求められた内容に合わせて調整しましょう。
「二つの課題と、それぞれの対応」を問われるなら、課題ごとに段落を分ける方法もあります。見た目の段落数より、一つの段落が何を説明しているかを明確にしてください。
原稿用紙の空白も文字数に含めてよいですか?
本文の文字数と、段落の字下げや行末の空白を含む使用マス数は、分けて考える必要があります。数え方に学校の指示がある場合は、それに従ってください。
練習では、文章作成ソフトの文字数と原稿用紙の使用状況の両方を確認すると、分量を把握しやすくなります。空白を増やして下限を満たそうとせず、必要な内容を書いて指定範囲に収めましょう。
小論文に題名は必要ですか?
題名を書くかどうかは、問題文や解答用紙の指示に従いましょう。自己判断で題名を加える前に、本文以外の記入欄があるかを確認してください。
受験番号や氏名についても同様です。公開問題でも記入位置が異なる例があるため、過去に練習した方法をそのまま当てはめないようにしましょう。
「私は〜と考える」を何度も使ってよいですか?
自分の考えを示すために使えますが、毎段落で繰り返す必要はありません。冒頭で立場を明確にしたら、その後は理由や具体例の説明を進めましょう。
たとえば、「私は重要だと考える」を何度も置く代わりに、「その理由は〜」「たとえば〜」「一方で〜」と、文章の役割を意識して展開してみてください。
ただし、接続詞を増やすことだけが目的ではありません。前後の内容が実際につながっていることを確かめましょう。
反対意見は必ず入れたほうがよいですか?
反対意見を入れること自体を必須の型にする必要はありません。問いへの答えを深めるために必要な場合に、別の見方や実行上の難しさを取り上げましょう。
字数が短い問題で、賛成・反対の説明だけに多くの分量を使うと、自分の考えと理由が薄くなることがあります。設問と字数に照らして判断してください。
看護師になりたい気持ちは、毎回書くべきですか?
志望理由や将来像を聞かれている場合は、その気持ちを具体的に説明しましょう。一方、別の課題への意見を求める問題では、看護師への決意を毎回入れる必要はありません。
たとえば、資料から社会的な課題を読み取る問題なら、まず資料の説明と、自分の考えに字数を使います。「看護系の入試だから、最後は必ず志望理由」という決め方は避けましょう。
社会人受験では、仕事の経験を使ってもよいですか?
仕事の経験は、設問と関係し、その経験から何を考えたかを説明できる場合に活用できます。経歴の長さや成果の大きさを示すだけで終わらないようにしましょう。
接客、事務、営業、介護、製造などの経験を使う場合も、「相手の状況をどう確かめたか」「協力するときに何が難しかったか」と、問いに関係する部分を選びます。
勤務先や関係者の個人情報を細かく書く必要はありません。議論に必要な範囲に絞って説明してください。
高校生で医療現場の経験がありません。何を書けばよいですか?
医療現場での体験を無理に作る必要はありません。設問に合う場合は、学校生活、部活動、委員会、家庭での経験などから考えを整理してみましょう。
たとえば、相手に説明したのに伝わらなかった経験や、意見の違う人と協力した経験も、コミュニケーションを考える材料になります。
ただし、学校での経験と医療の場面がすべて同じだと考えず、共通する点と異なる点を意識して書くことが大切です。
小論文対策では、何本書けばよいですか?
必要な本数を、すべての受験生に共通する数字で決めることはできません。志望校の形式で、設問への回答・字数・時間・論理のつながりを安定して整えられるかを目標にしましょう。
新しい問題を解くだけでなく、添削された答案を書き直す時間も確保してください。渋谷看護予備校でも、過去問演習と添削、書き直しを繰り返す対策を案内しています。
模範解答は暗記したほうがよいですか?
模範解答は、文章全体を覚えて当てはめるより、主張と理由のつなぎ方や、具体例の使い方を読み取る材料として活用しましょう。設問が変われば、必要な答えも変わります。
読んだ後に、「この段落は何のためにあるのか」「なぜこの例を選んでいるのか」を説明してみてください。
そのうえで自分の答案と比べると、表現の違いだけでなく、説明が不足している場所を見つけやすくなります。
本番で知らないテーマが出たら、どうすればよいですか?
最初に設問を読み直し、与えられた資料からわかることと、自分が確実に説明できることを分けて整理しましょう。知らない知識を、事実のように作って書くのは避けてください。
テーマのすべてを説明しようとせず、問いに答えるための論点を絞ることも大切です。
練習の段階では、知らないテーマに出会ったら、書いた後に基礎知識を調べ直し、どこまで自分で考えられたかを振り返っておきましょう。
残り時間が少ないときは、何を優先しますか?
まず、答えていない設問の項目がないか、結論まで書けているかを確認しましょう。そのうえで、字数条件や、意味が変わる誤字・脱字を点検します。
練習中に時間切れになったら、どの段階で遅れたかを記録してください。本番で急に速く書こうとするより、普段から「この時刻までに構成を終える」という区切りを作ることが大切です。
自分で添削するときは、何から確認すればよいですか?
最初は、問題文の要求と自分の各段落を対応させてみましょう。誤字より先に、「そもそも問いに答えているか」を確認します。
次に、主張だけを抜き出して一文にし、その主張を支える理由が本文にあるかを探します。自分では補って読んでしまう説明もあるため、可能であれば第三者にも読んでもらいましょう。
小論文の不安は、志望校の条件と自分の答案を照らして整理しよう
小論文の対策では、「何文字書けたか」だけでなく、設問への答え、理由の説明、構成、時間配分を一緒に確認することが大切です。自分だけでは判断しにくい部分は、第三者の添削を活用しましょう。
渋谷看護予備校では、看護大学・看護専門学校の受験に向けた1対1の個別指導、小論文対策、志望校や入試方式に合わせた学習計画の作成に対応しています。小論文・願書添削・面接対策のみの受講についても相談できます。
小論文対策コースでは、志望校の出題傾向に沿ったテーマ選定、書き方や構成の基礎指導、執筆後の添削、復習と次回への課題整理を行っています。「何文字足りないか」だけでなく、「どの説明を加えればよいか」を考えるための個別指導として活用できます。
相談するときは、志望校名と入試方式に加えて、実際に書いた答案や、書くのにかかった時間を整理しておくと、困っている点を伝えやすくなります。
「文字数が足りない」「何を書けばよいかわからない」と感じていても、課題を分けて考えれば、次に練習することが見えてきます。
看護学校の小論文で大切なのは、長い文章を書くことだけではありません。設問を正確に読み、自分の考えを、必要な理由とともに、指定された字数と時間の中で伝えることです。まずは志望校の条件を確認し、一題を最後まで書いてみるところから始めましょう。

